PBXで実現する時間帯別の外線着信設定とは?業務時間外対応を最適化する方法と注意点

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PBXで実現する時間帯別の外線着信設定とは?業務時間外対応を最適化する方法と注意点
目次

はじめに

今回は、多くの企業様が悩んでいる「業務時間外の外線対応」について、PBXの時間帯別着信設定を活用した効率的な解決策をご紹介します。 

「営業時間外の電話、どう対応すればいい?」「誰かがいないと、すぐ着信を逃してしまう…」そんな課題に直面している方に、特におすすめの記事です。 

業務時間外でも顧客からの信頼を損なわずに対応する方法は、企業のブランド価値や顧客満足度に直結します。本記事では、PBXの機能を活用して「無理なく・漏れなく」電話対応を設計するための実践的な方法を、事例を交えながらご紹介します。 


業務時間外対応が重要な理由

近年、働き方改革やリモートワークの普及により、固定的な営業時間に縛られない働き方が定着しつつあります。一方で、企業としての顧客対応には「いつでもつながる安心感」が求められています。 

とくに以下のようなシーンでは、業務時間外の対応が顧客満足度に直結します。 

  • 緊急対応が必要なサービス業(例:保守・サポートセンター)
  • 高額な商談につながる営業電話の取りこぼし
  • クレームや問い合わせによるカスタマーハラスメントのリスク管理
  • 突発的な障害発生時の初動連絡体制の確保
  • 社外からの問い合わせに対する自動応答の必要性

このような背景から、PBXを活用した時間帯別着信制御が注目されています。また、業務時間外の対応を適切に設計することで、以下のようなメリットも得られます。 

  • 社員のワークライフバランス向上
  • 無駄な折返し業務の削減
  • 社内の情報共有体制の強化
  • 外部委託コストの削減
  • トラブル発生時の対応スピード向上

つまり、時間外対応は単なる非常時の対応策ではなく、企業の顧客体験(CX)を左右する経営戦略の一部であるともいえるのです。 


時間帯別の外線着信設定とは 

PBXにおける「時間帯別着信設定」とは、業務時間・昼休み・深夜など、時間帯に応じて外線の着信動作を変更する機能です。この機能を活用することで、業務効率を落とすことなく、顧客対応を継続的に行うことが可能になります。 

例えば、営業時間中は通常のコールセンターにつなぎ、営業時間のアナウンスを流すのが基本となります。これに自動音声(IVR)を組み合わせると特定の選択により、携帯電話のSMSへメッセージ送信や、緊急時に担当者へ転送といった対応も選択することができます。

 

時間外アナウンスの活用

電話応答時に自動音声ガイダンスを流すシステムです。業務時間外の対応として最も多く利用されている手法であり、設定も比較的簡単です。 

【例】

「ありがとうございます。こちらは〇〇株式会社です。ただいまの時間は業務時間外となっております。弊社の営業時間は平日10:00〜18:00です。営業時間内におかけ直しください。」 

このように、業務時間外でもガイダンスを通じて顧客に情報提供することで、クレーム抑制や問い合わせ内容の分類が可能になります。 

【設定時のポイント】

  • 営業時間の情報が変更された場合、音声ガイダンスの内容更新を忘れずに行いましょう
  • 年末年始や大型連休など長期休業のアナウンスを準備する場合は、営業再開時期も文言に含めましょう


転送機能の設定方法とポイント

 「時間外でも一部の重要な電話には対応したい」といったニーズに応えるのが、転送機能です。PBXでは、指定の時間帯に限り着信を携帯電話や別拠点の番号へダイヤルイン転送するよう設定できます。

【例】

  • 夜間の緊急連絡は当直の携帯に転送
  • 土日は外部の委託先コールセンターに転送

【設定時のポイント】

  • 転送先の応答体制(夜間常駐の有無など)を事前に確認しましょう
  • 通話料金負担の有無を明確にしましょう
  • 転送先でも同じ水準の対応ができるよう教育を共有しましょう


まとめ

PBXの時間帯別外線着信設定は、顧客満足度の向上と業務効率の両立を可能にする有効な手段です。時間外アナウンス、転送機能などの機能を柔軟に組み合わせることで、各企業の業務スタイルに合った最適な運用が実現できます。 

また、業務グループ別に設定をカスタマイズすることで、より精度の高い対応が可能になり、チーム全体のパフォーマンスも向上します。トラブルが起きやすいポイントやその解決方法も事前に把握しておけば、運用中の混乱も最小限に抑えられます。 

PBXの設定は一度導入すれば終わりではなく、業務の変化に応じて継続的な見直しが必要です。不安や疑問があれば、ぜひ弊社の無料相談サービスをご活用ください。あなたのビジネスに最適なコミュニケーション環境の実現を全力でサポートいたします。


 FAQ|よくある質問と回答

 Q. 業務時間外のガイダンスはどのように設定すればよいですか?

A. PBXの管理画面から外線着信設定を設定し、該当する時間に再生される音声ファイルを登録します。音声ガイダンスはテキスト変換機能を用いた自動音声作成にて直接作成することが可能です。また、事前に録音した指定形式のWAVファイルのアップロードや、PBX内蔵の録音ツールより直接吹き込むことも可能です。 
また、曜日や祝日ごとの指定設定も可能な場合が多く、より細やかな運用が可能になります。たとえば「平日18時〜翌朝10時まではAガイダンス」「土日祝はBガイダンス」というように切り替えもできます。


Q. 転送先としてスマートフォンを指定しても問題ありませんか?

A. はい、ほとんどのPBXでは、外部番号(携帯電話や自宅電話など)への転送が可能です。ただし、以下の点には注意してください。 

  • 転送時には、発信元からPBX宛てに発生する通話料に加え、PBX(企業側)から転送先への通話量も発生する点
  • 転送先の端末が圏外、電源OFF、通話中などの場合は不通になるため、一定の呼び出し時間後に第二転送先への転送やアナウンス再生を設定しましょう
  • 緊急対応用の携帯電話など、応答できる体制が整っている番号を転送先に指定しましょう


Q. 着信が複数の部署にまたがる場合は、どのように設定すればいいですか?

A. 外線着信設定機能を使えば、着信を複数部署に分配することが可能です。たとえば、最初の10秒間は営業部に着信させ、それでも応答がなければカスタマーサポートに転送するといった柔軟な設定が可能です。 
また、時間帯ごとに対応部門を切り替える設定(例:通常は営業、土日はコールセンター)なども行えます。こうした複数の業務グループ設定を組み合わせることで、組織全体として効率的な対応体制を構築できます。 


Q. 営業時間外の着信数を分析する方法はありますか? 

A. はい、多くのクラウドPBXでは、着信件数・通話時間・応答率などを時間帯ごとに可視化するレポート機能が搭載されています。これにより、「何曜日の何時頃に着信が集中しているか」「対応率は何%か」などのデータが確認でき、設定改善に活かすことができます。 
分析の結果、一定の時間帯に着信が多ければ、その時間帯だけ有人対応を増やす、IVRで自己解決を促すなどの対策が立てられます。 


Q. ガイダンスの文言例が知りたいです。

A. 参考までに、業務時間外で使用されるガイダンス文言の例をいくつかご紹介します。 

基本パターン
「ただいまの時間は営業時間外です。弊社の営業時間は平日10時から18時までとなっております。」 

自己解決促進パターン
「よくあるご質問は弊社ホームページFAQに掲載しております。URLは〇〇です。営業時間内にあらためておかけ直しください。」 

これらはPBX設定時に自由に変更できますので、業種や顧客属性に合わせて調整しましょう。 



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PBXの導入や時間帯設定は、企業の規模や業種、営業時間によって最適な構成が異なります。設定に不安がある方、PBXの選定から相談したい方は、ぜひ弊社の無料相談サービスをご活用ください。 

相談内容の例 

  • 自社に最適なPBXの種類やサービス選定
  • クラウドPBXとオンプレミス型の違いの整理
  • 時間帯設定の初期設計と運用ルールの構築
  • IVRや転送設定を含めた最適なシナリオ提案

ご相談方法 

  • 専用フォームからご連絡いただければ、担当者より1営業日以内に返信いたします。
  • オンライン会議・電話・メールのいずれにも対応可能です。

費用について 

  • 初回のご相談はすべて無料で承っております。

「時間外対応の設定に悩んでいる」「PBXの設定がうまくいかない」という方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。導入から運用まで、経験豊富な専門スタッフが丁寧にサポートいたします。 


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記事監修
田中
InfiniTalkのシステム周辺の技術支援から日々のサポート業務まで幅広く対応。加えて、情報システム部を兼任し、社内ITインフラの運用・管理や中長期的なシステム計画にも携わる。業務効率化やセキュリティ強化といった課題に対しても積極的にアプローチし、社内外からの信頼も厚い。格闘ゲームが好きで、勝敗を分ける判断力と瞬発力は日々の業務でも存分に活かされている。テクニカルな解説に加えて、業務改善のヒントが詰まったコラムは、実務者にとって心強いガイドとなっている。
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